左上)戦前の択捉島紗那村
左下)上写真と同じ画角の現在の風景
右)元島民の岩崎忠明さん
GPS:45.22768992265869, 147.87487870608928
花がいっせいに咲く遅い春
今は札幌市で暮らす岩崎忠明さん(82歳)は択捉島の紗那村(しゃなむら)で生まれ育った。祖父の代に移住してきたから島民3世になる。岩崎さんが島の自然を描写する。
「冬は根室ほど寒くなかったけれど、風が強くて雪も吹き飛ばされるほど。春は遅くて、桜が咲くのが6月半ば。桜が咲くと8月にかけてアツモリソウ、スズラン、エゾカンゾウといった高山植物がいっせいに咲き出します。その頃はサケ、カラフトマス、岩海苔の収穫で島外から季節労働者がいっぱい来ていました」